「ヴィニャーノ」社はフィヌッチ家が経営するワイナリーである。ファヌッチ家の3兄弟をはじめ、家族全員がワイン造りに貢献しており、立派なワインを造ることに全身全霊を捧げている。
しかし、ファヌッチ家のワイン造りの歴史は近代にまで遡る。祖父ファヌッチはエンジニアで、ポンタセルキオという小さなトスカーナの村出身だった。彼は若いころ、家族、そして故郷との関係を悪くし、牧歌的なモーリシアス島へ困難で冒険的な旅をした。その楽園のような島で愛を見つけ、定住した。
それから数十年後、孫のパトリック、ニコラス、ドミニックは、祖父の死の床で「自分たちの故郷の素晴らしさ」を伝えられ、「故郷へ帰れ」と告げられた。その言葉通り、3人の孫たちはイタリアに帰り、トスカーナのキャンティ地方で土地を買った。これが、後のヴィニャーノワイナリーとなったのである。