ワインの美味しい飲み方とは?
ワインテイスティングの基礎知識
ワインの美味しい飲み方とは?
ワインテイスティングの基礎知識
この記事は、ワインの正しい飲み方、美味しい飲み方、効果的な飲み方を伝えるものです。しかしながら、初めに断っておくと、ワインの正しい飲み方はこの世に存在しません。
「氷を入れて、赤ワインを飲みたい」と思っても間違いではありません。「スペイン人のように赤ワインにコーラを入れて飲むのが好き!」でも、問題はないと思います。けれども、ウィスキー好きがウイスキーを「時間を飲む飲み物」と例えるように、ワインを愛する私は、ワインを「知識を飲む飲み物」だと信じています。ワインの正しい飲み方は存在しませんが、ワインを愛する人ーそれは私のように好き好んでソムリエになるような人ーが、好む飲み方は存在します。ですので、本日はソムリエ的な飲み方とともに、ワインテイスティングの基礎知識を皆様にご紹介したいと思います。
なお、ワインテイスティングの基本的なテクニックはソムリエ協会によってほのかに異なります。私はA.I.S.(イタリアソムリエ協会)でその技術を学びましたので、AIS理論によるワインの分析方法を簡単に紹介します。
ワインを買うとき、あなたは何を考えますか?「あっ、これ美味しそう!」「ラベルが可愛い」、
少しワインに詳しい方は「このブドウ品種は聞いたことがないから、気になる」、なんてことを考えるかと思います。赤、白、スパークリング。結局、どんなに考えても、ワインを買う時はその方の「お好み」で決まります。そんな風に、ワインの飲み方も一人一人「お好み」なのではないでしょうか?
この記事は、ワインの正しい飲み方、美味しい飲み方、効果的な飲み方を伝えるものです。しかしながら、初めに断っておくと、ワインの正しい飲み方はこの世に存在しません。
「氷を入れて、赤ワインを飲みたい」と思っても間違いではありません。「スペイン人のように赤ワインにコーラを入れて飲むのが好き!」でも、問題はないと思います。けれども、ウィスキー好きがウイスキーを「時間を飲む飲み物」と例えるように、ワインを愛する私は、ワインを「知識を飲む飲み物」だと信じています。ワインの正しい飲み方は存在しませんが、ワインを愛する人ーそれは私のように好き好んでソムリエになるような人ーが、好む飲み方は存在します。ですので、本日はソムリエ的な飲み方とともに、ワインテイスティングの基礎知識を皆様にご紹介したいと思います。
なお、ワインテイスティングの基本的なテクニックはソムリエ協会によってほのかに異なります。私はA.I.S.(イタリアソムリエ協会)でその技術を学びましたので、AIS理論によるワインの分析方法を簡単に紹介します。
1.ワインを観察しましょう!− 視覚的な分析 −
ワインソムリエはワインを口にする前に、グラスに鼻を入れる前に、必ずグラスの中をよく観察します。ワインの清澄度、色合い、粘性とスパークリングワインの泡立ちから、ブドウ品種、生産地、ヴィンテージや熟成方法などが推測できるからです。ワインエキスパートはブラインドテイスティングをする際、見た目だけを注意深く観察すると、だいたいの答えを予想できます。
【やり方】まず、目の前でグラスを持ち上げて、逆光で観察し、濁りがあるかどうかを確認します。そして、白い背景にグラスを傾けてかざし、色を見ます。内側の彩度を確認してから、「ワインの爪」と呼ばれる液面縁の濃淡を観察します。次に、グラスを軽く回します。グラスの内面に液滴(ワインの涙)がこぼれ落ちて、アーチのような形を作ります。その「涙」がゆっくり落ちると、ワインは非常に円やかだと考えられます。その「涙」が作ったアーチが沢山できたら、アルコール度数は高いと分かります(マランゴーニ効果)。
最も重要なのは色です。色合いからワインの状態と熟成度を推察できるからです。
熟成中に起こる現象の一つは「微量酸素化」です。その現象のため、白ワインのフェノール(顔料)は酸素と結合して、色が変化していきます。それで、ワインが熟成しつつ、白ワインの淡い黄色が濃くなって、琥珀色に変わります。
赤ワインの場合は、微量酸素化の現象で、ピグメント(青顔料)が酸素と結合して、重くなって、ボトルの底に沈みます(色素のようなものが沈澱する)。その結果、時間の経過とともに青い部分がなくなり、紫がかった赤はだんだんレンガ色になります。
ロゼワインの色は赤ワインと同じように変化していきます。しかし、ロゼワインの場合はピグメントが少ないため、赤ワインより更に変化が早いです。
2.香りをうまくかぎ分けましょう!− 嗅覚的な分析 −
実際に、香りの分析は二つの目的を持っています。一つ目は、外見の観察からできた予想を確かめるか、あるいは修正することです。二つ目は、次のステップで味見をすると、どういう風味が発見できるのかを予想する目的です。従って、不可欠なステップでありながら、中間段階にすぎません。ワインエキスパートは嗅覚的な分析をする際、香りの「豊かさ」、香りの多様性、あるいは「複雑さ」と、最後に香りの「上品さ」を判断します。
【やり方】クラスを鼻の下まで持ち上げ、グラス内の空気を一回深く吸い込んで、どのぐらい香りが強いか確認します。その後、グラスを精力的に回して、少しずつワインを酸化させます。そうすると、外の空気がグラスに入り、中の空気が押し出されるようにして、私たちの鼻まで香りを豊かに持ち運びます。遠い場所からある香りを探るように、短く繰り返し吸引します。しばらく嗅いでみると、香りが変化していることに気づきます。
ワインのアロマ(香り)は三つのカテゴリーに分類できます。
第1のアロマは「ブドウ」の香りです。あるいは、ブドウに含まれている「テルペン香」という香気成分です。すなわち、実際にブドウの一粒を指で潰してみると、そのワインと同じ香りがします。そういう香気成分が含まれているブドウ品種は「アロマティック品種」と呼ばれています。イタリアではアロマティックブドウ品種が4つだけ確認されています。
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Moscato(マスカット):世界的に有名な品種。イタリアのピエモンテで、甘口発泡ワインを造るため広く使われています。マスカット特性香はオレンジの花、桃とセージの香りです;
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Brachetto(ブラケット):唯一の赤地アロマティックブドウ品種。デザート用の赤発泡ワインを造るため使われています。ブラケット特性香はバラとイチゴの香りです;
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Malvasie(マルヴァジーアの主な種類):イタリア全国で栽培されています。香り豊かな辛口・甘口ワインを造るため、よく使われています。マルヴァジーア特性香はアプリコットと黄桃の香りです;
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Gewürztraminer(ゲヴュルツトラミネール):アルザス、ドイツと北イタリアの間の地域に生育する品種。ゲヴュルツトラミネール特性香はライチとバラ水の香りです。柑橘類と白胡椒のニュアンスもよく発揮します。
第2のアロマは「発酵」に由来する香りです。それは通常、果実香、花系と植物系の香りです。
あるブドウ品種は発酵中に、その品種固有の香気成分へと発展します。アロマティック品種と違って、そのブドウ品種の特性香は「ブドウのままでは」ーつまり、ブドウの一粒を指で潰してもー感じられないので、「セミ・アロマティック」と呼ばれています。
セミ・アロマティック品種の特性香は生産地によってほのかに異なります。以下はイタリアで最も見つけやすいセミ・アロマティック品種とその香りです。
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- Sauvignon Blanc(ソーヴィニョン ブラン):グレープフルーツと小振の白花(ニワトコ・ツゲ);
- Riesling(リースリング):灯油とライム;
- Chardonnay(シャルドネ):生アーモンドとカモミール(熟成で南国フルーツ);
- Glera(グレーラ):青リンゴと洋梨。
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第3のアロマは熟成香です。主な熟成方法は樽熟成、ステンレス、瓶内熟成です。樽熟成中にワインは微量酸素化と樽成分の溶出によって変化します。そのプロセスから生じるのはスパイス系、ロースト系や動物系の香りです。一方で、瓶内熟成中にはワインが酸化還元反応によって変化します。そのプロセスから、エーテル系(洋酒漬けフルーツ)や土系の香りが生じます。
3.やっとワインを飲みます!− 嗅・味覚的な分析 −
今までの分析は予備的なステップでした。これから、外見を観察すること、香りを嗅ぐことを通して立てていた「仮説」を確かめます。
【やり方】一口飲んで、事前にあった味わいを消します。そして、またワインを少し口にして、口の前部に液体を保持しながら、歯の間からゆっくり吸飲します。空気がワインと混ざって、味わいが強調されます。ワインを飲み込んでから、鼻から息を吐き、何秒くらい味わいが口に残るか数えます。
AISは味わいの2つの側面を判断します。それは柔らかさと硬さです。それぞれの側面には味覚と触覚があります。
順番にテイスティングをしましょう。まずは、ワインの柔らかさを分析します。
①糖分:発酵後に残った糖分から生じる甘味です。
順番にテイスティングをしましょう。まずは、ワインの柔らかさを分析します。
①糖分:発酵後に残った糖分から生じる甘味です。
10~20g /L・・・やや辛口
20~50g /L・・・やや甘口
50g /L<・・・・・甘口
<5g /L・・・・・・辛口
10~20g /L・・・やや辛口
20~50g /L・・・やや甘口
50g /L<・・・・・甘口
弱い・中程度・高い
刺々しい・やや円やか・円やか・ベタベタする
次に、ワインの硬さを分析します。
④酸味:ワインの酸(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸)は唾液分泌を引き起こして、味覚的な感覚です。
次に、ワインの硬さを分析します。
④酸味:ワインの酸(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸)は唾液分泌を引き起こして、味覚的な感覚です。
弱い・中程度・爽やか・酸っぱい
少なめ・中程度・多め・非常に渋い
弱い・中程度・強い・塩っぽい
提供温度はワインの柔らかさ・硬さに影響を与えます。低い提供温度(4~13℃)は硬さを強調します。常温に近い提供温度(14~18℃)は柔らかさを強調します。従って、タンニンのない、酸味が綺麗な白ワインは低温で提供するのが基本です。一方で、タンニンが豊かで、円やかさが綺麗な赤ワインは常温に近い温度で提供します。
最後に、ボディ、バランス、味わいの余韻を分析します。
⑦ボディ:ワインの骨格は「硬度」によって決定されます。「硬度」は、ワインの水分やアルコール分を蒸発した後に残る部分です。赤ワインはたいてい20~30g/Lで、白ワインは16~22g/Lです。
提供温度はワインの柔らかさ・硬さに影響を与えます。低い提供温度(4~13℃)は硬さを強調します。常温に近い提供温度(14~18℃)は柔らかさを強調します。従って、タンニンのない、酸味が綺麗な白ワインは低温で提供するのが基本です。一方で、タンニンが豊かで、円やかさが綺麗な赤ワインは常温に近い温度で提供します。
最後に、ボディ、バランス、味わいの余韻を分析します。
⑦ボディ:ワインの骨格は「硬度」によって決定されます。「硬度」は、ワインの水分やアルコール分を蒸発した後に残る部分です。赤ワインはたいてい20~30g/Lで、白ワインは16~22g/Lです。
ライトボディ・ミディアムボディ・フルボディ
<4秒・・・・短い
4.まとめ
テイスティングが終わりました!この後に、自分の意見や感想を伝えられます。例えば、外見、香りと味わいはワインの種類と首尾一貫性を保っていたか。ワインの熟成状態はどうだったか。若すぎるか、あるいは飲み頃か。それとも、まだ熟成のポテンシャルを持っているか。全体的な質はどうだったか。このような問いを立て、それに答えながらワインに点数を与えます。
AISの点数の与え方は、1から100点までで、ざっくり紹介すると、以下のようになります。
品質の悪いワイン
AISの授業の初日に、Emilia代表はこう述べました。「覚悟しといてください。これから一生、ワイン一杯を楽しむことができなくなります」。もしかすると、彼は、ワインをテイスティングすることがワインを楽しむことと違うと思っていたのでしょうか。確かに、今日紹介したのは、少し科学的で冷たいテイスティングの仕方かもしれません。ですが、ワインはまさしくそうではないかと思います。科学とロマンスを結ぶ、魅力的な飲み物。
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